BBC制作のミステリードラマ『SHERLOCK/シャーロック』。
日本ではBS NHKで放送していたものを部分的に観ていましたが、年末年始の休みにNetflixで一気見しました。
シーズン4まで制作されましたが、続編はあるのでしょうか?
今や大人気のカンバーバッチとフリーマンの二人。
『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』でカンバーバッチが主演を、『ブラックパンサー』にはフリーマンが出演するそう。
ドラマのギャラで果たして二人を呼び戻すことができるんでしょうか?
現代に甦ったホームズとワトソン
このドラマシリーズ、舞台を現代に移しながらも、原作の設定をうまく活かしています。
ホームズはブラックベリーの携帯を駆使し、移動には辻馬車ではなくタクシーを活用(そりゃ、そうだ)。
原作を知る人には、このストーリーの、あの登場人物が、あの小物が、こんな形で、という新鮮な驚きがあったのではないでしょうか?
他の映像化作品
振り返ってみると、ホームズ物の過去の映像化作品も結構な数、観ていることに気が付きました。
ここで、少し振り返ってみましょう。
『シャーロック・ホームズの冒険』グラナダTV版
ジェレミー・ブレット主演、イギリス・グラナダTV制作のドラマシリーズ。
原作を忠実にドラマ化した作品で、役者も原作のホームズのイメージに最も近い、というのが、世のシャーロキアンの評価。
NHKが露口茂さんの吹替えで放送していました。
『エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY』
こちらはアメリカでドラマ化されたシリーズ。
舞台は現代のニューヨーク。
かつてスコットランドヤード(ロンドン警視庁)の顧問をしていたが、薬物依存の治療のためアメリカのニューヨークへ。
そこで、薬物治療の「付添人」である、元外科医のジョーン・ワトソンと知り合う。
こちらをルーシー・リューが演じて、初の女性ワトソンとなりました。
映画ではこんな作品もありました。
ガイ・リッチー監督『シャーロック・ホームズ』
こちらはロバート・ダウニーJrがホームズを、ジュード・ロウがワトソンを演じた、アクション映画的な新解釈物。
カンバーバッチといい、ロバート・ダウニーJrといいホームズ主演はマーベル作品と縁がありますね。
スピルバーグ製作『ヤング・シャーロック ピラミッドの謎』
だいぶ古いですが、スピルバーグ製作の、若き日のホームズとワトソンの冒険活劇で、二人が全寮制学校の同級生という設定。
スピルバーグらしい娯楽要素満載のいい映画だったと思うけど、サービス精神が裏目に出た、という声も聞きますね(汗
わたくし、劇場公開時に観にいきました。ヒロイン役の子が可憐だったなぁ。
ストーリーは、後にハリー・ポッター・シリーズで監督を務めるクリス・コロンバスによるオリジナル 脚本。
ロンドンの街の風景はまるでポッターシリーズのようです。
原作の、鹿撃ち帽にパイプの由来も織り込まれていて、知ってる人をニヤリとさせます。
ニコラス・メイヤー脚本・監督『シャーロック・ホームズの素敵な挑戦』
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こんな映画もありましたね。これも劇場公開時に観てます。
原題の”Seven Per-cent Solution”(7%の溶液)は、ドイルの作品中で、ホームズの悪癖としてコカインを使用していたことが書かれていますが、そのコカイン水溶液が7%の濃度だったことと、事件解決の可能性が7%しかない(solutionには解決という意味もある)ことを引っ掛けた遊びです。
映画原作本の邦訳タイトルは『シャーロック・ホームズ氏の素敵な冒険』と、なぜか映画の邦題とは異なっていましたが、映画が本職の人が作っただけあって、ディテールに凝ってました。
他にはこんなものも
日本では、ディーン・フジオカとEXILEの岩田剛典がホームズとワトソンを演じたフジの月9ドラマ『シャーロック アントールドストーリー』もありました。
「アントールドストーリー」(語られなかった物語)は、ドイルの原作中に、ちょいちょい登場する、事件名だけ言及されて、中身の話が書かれていない、「語られざる事件」のひとつ、という気分でしょう。
ホームズ研究家によれば、そういう事件はドイルの原作中に100件以上登場するそうで、後の作家がその事件の中身を書く、というパスティーシュ(パロディ)作品の元ネタになっていたりします。
『ミス・シャーロック』
Hulu配信で、竹内結子さんと貫地谷しほりさんがペアを組んだ、『ミス・シャーロック』もありました。
この作品は映像化作品としては初の女性ホームズ役の作品で、続編をとても期待していたのですが、竹内さんがあんなことになってしまい、本当に、心から残念でなりません。
『名探偵ホームズ』
ナウシカの劇場公開時に同時上映だった、宮崎駿のアニメ『名探偵ホームズ』は全ての登場人物が擬人化された犬になっていて、子ども向けではあるけれど、楽しかったです。
わたしはこの作品も劇場公開時に観てます(というか、ナウシカを観に行ったのですが)。
パスティーシュ、パロディは数々あれど
小説、ドラマ、映画、漫画、とホームズが登場する作品は数々ありますが、原作を知っていた方が楽しみが増え、味わいが深まります。
年末年始に『SHERLOCK/シャーロック』を観たことで、実は、知らないでいる、ディテールのこだわりがあるんじゃないかと思えてきました。
ぜひ、皆さんも、映画・ドラマで観る機会があったら、あわせて、コナン・ドイルの原作小説の方も読んでみてください。